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日銀2ヶ月連続利上げ観測|答えは「ない」。理由は景気ではなく政治【岸博幸】

日銀は10月も利上げするのか|岸 博幸

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動画2026.10.04

日銀は10月も利上げするのか

判断の軸は、景気ではなく政治。

9月にFRBが0.25%の利上げを行い、その直後に日銀も政策金利を1.25%へ引き上げました。市場では「円安是正のため、日銀は10月も2ヶ月連続で利上げするのではないか」という見方が出ています。結論から言えば、おそらくありません。その理由は国内景気への影響よりも、日銀がどこを見て判断する組織なのかという点にあります。

本動画のポイント

  1. 9月のFRBの利上げを受け、日銀も政策金利を0.25%引き上げて1.25%としました。
  2. 市場では、円安が是正されないことから10月も続けて利上げするという観測が出ています。
  3. 先月の利上げによる国内経済への影響は、住宅投資・企業投資ともに限定的だと考えられます。
  4. それでも2ヶ月連続の利上げはおそらくありません。日銀が強く意識するのは政治だからです。
  5. 次の利上げは年末の12月。消費税減税法案が通り、世の中が前向きになっているタイミングです。
  6. FRBも中間選挙の直前であり、今月は動かないと見ています。

0110月の国会と、もう一つの政策テーマ

10月に入りました。これから臨時国会が始まり、最重要課題である消費税減税法案が出てきます。それに加えて、議員定数削減の議論も行われるでしょう。いずれも大事な政策テーマですが、これらについては高市総理の所信表明と、最初のほうの質疑を聞いてから論評したほうがよいと考えています。

そこで今回は、10月にもう一つ考えておいたほうがよいテーマを取り上げます。日銀は今月、2ヶ月連続で利上げをするのかどうか、という論点です。


02市場に出ている「2ヶ月連続利上げ」観測

まず先月9月、アメリカのFRBが政策金利を0.25%引き上げ、3.75〜4%のレンジとしました。それを受けて直後に日銀も政策金利を0.25%上げ、1.25%としています。

その後、私の知り合い、とくに海外のファンドの関係者などから、日銀は今月も2ヶ月連続で金利を上げるのではないか、という話が出てきます。日本の金利が低すぎるために円安が是正されず、為替の影響で物価が上がる。その状況に対応するために上げるのではないか、という読みです。アメリカのベッセント財務長官の後押しが強いから、という点も指摘されます。


03利上げは、国内景気にどこまで響くのか

利上げをすれば、当然ながら国内の景気には影響があります。住宅ローンの金利が上がれば住宅投資は落ちるかもしれませんし、企業も資金を借りるコストが上がるため、投資が減るかもしれません。

ただ、私は少なくとも先月の利上げについては、国内経済にそれほど影響はないと考えています。不動産の価格はその前の段階からかなり高くなっており、そもそも買う人には厳しい状況になっていました。企業についても、内部留保が潤沢にあり、AIブームもあって大企業は積極的な投資姿勢です。金利上昇でその姿勢が大きく変わるとは思えません。

そう考えると、2ヶ月連続で利上げをしてもおかしくない、という理屈も成り立ちます。それでも私は、おそらくないと見ています。賭けるとすれば、ない方に賭けます。


04日銀は「政治的な動物」である

さはさりながら、日銀としては国内の景気への影響を慎重に考えざるを得ません。そして、それ以上に日銀が意識するのは政治です。

報道を読んでいると、日銀は立派な組織で、植田総裁も名総裁であるかのように書かれることが少なくありません。しかし、そんなことはありません。私の目から見れば、日銀は昔から本当に政治の意向を重視する組織です。ある意味で霞が関の官庁以上に政治動向を見て判断しようとする、非常に政治的な動物だと思っています。

日銀って、本当に政治的な動物なんですね。


05いまの政治状況では動きにくい

その行動パターンから考えると、いまの政治状況で利上げには動きにくいはずです。

そもそも高市政権は、総理も経済財政担当大臣も、当初は利上げに反対でした。それがベッセント財務長官の後押しもあって、別に日本はリフレ政策をやっているわけではない、という説明に変わった。その程度のものです。内心では快く思っていない可能性があります。

そこに内閣改造があり、これから国会で議論が始まり、スキャンダルも出始めている。こうした状況で、日銀があえてナーバスな話題に踏み込むとは考えにくいのです。

次に利上げをするなら、年末の12月だと断言します。12月になれば消費税減税法案も通り、世の中がなんとなく減税で前向きな空気になっているはずで、上げやすいタイミングだからです。


06FRBも、今月は動かないと見る

ついでに言えば、金融投資をしている方はアメリカの利上げも気になるところでしょう。FRBも2ヶ月連続で今月上げるのか。これも、賭けるとすれば、おそらくないと思います。

中間選挙の直前だからです。FRBは当然、日銀よりは政治的独立性が高い組織ですが、与党共和党が苦しい選挙の直前に上げるかどうか。物価上昇を抑えるという名目はありますし、アメリカのほうが物価は大きく上がっています。しかし、アメリカの金利はすでに十分上がっています。住宅購入時のモーゲージローンの金利は年率7%で、1年間で1%上がりました。

加えて、直近の雇用情勢の調査を見ると、雇用はそこまで順調に伸びているわけではありません。景気減速の可能性を考えれば、FRBも動かないのではないかと見ています。


07結論 どちらも、今月は動かない

金融関係者のあいだでは、FRBも日銀も2ヶ月連続で上げるのではないかと期待する人が多いようです。しかし私は、FRBはロジカルに考えてやらないだろう、日銀は政治的な動物だからやらないだろう、と見ています。これが、賭けるとすればの私の賭け方です。

※金利や政策に関する記述は、動画収録時点(2026年10月)の情報と説明に基づく見解であり、投資の勧誘や助言を目的とするものではありません。最新の情報は日本銀行・各国中央銀行などが公表する内容をご確認ください。

複雑な政策を、生活の判断へ。

岸博幸公式動画チャンネルでは、経済・政策・地域の変化を、現場につながる視点から分かりやすくお伝えします。次回の更新もぜひご覧ください。

今後ともよろしくお願いいたします。

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岸 博幸慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科 教授/経済評論家・コメンテーター

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